中央線/P.B.
いランドセルを背負っている
彼女は白地に赤い花の模様の着物に身を包んでいる
どこか見覚えのある着物だ
そして私は、どうでも良くなる
私の乗っている電車が山手線だろうが銀河鉄道だろうが
私はウィスキーを呷り続ける
アルコールを入れたためだろうか
私は尿意を催し、トイレを探して電車の中をフラフラとする
ようやくトイレを見つけ、用を足し、再びもとの席に戻る
彼女が泣いている
私は声をかけてみる もう大分酔ってしまった
「どうしたんですか?」
彼女は、病気なんです、と言う
私は沈黙する
息子が、心臓の鼓動がどんどん早くなって
ついには止まってしまう病気にかかっ
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