メゾン/キメラ
離した距離でめくる。夜のシンパシー、シンパシー‥フォトンは薄紫色に怯えだし、斬風を冷笑に涜かしこむもう一歩だけの侵略に、世界すら真赤をはらみのちの黒い雲に心臓を覆わせた空白を壊した、、、毎日眺めた感化は感触を喪った今の儘だから、澱みは研ぎ澄まされ滑走路に遙か遠くで寂しく謡っている。顔が幾つも流れ、流水は罪を洗う自棄焦げた昨日に一体何を得たのか、踝を突き上げる見上げた空から近しい孤独がいまの灰色の血飛沫に切れ大気と馴染まず笑っていた、、、
白糸のよう、細い神経は静寂の中僅かに切れ一度に痛みが広がりながら拒絶した一夜の想いを粉々に歪めた、、、鳴らないベルと受話器、握らない掌から埃が乾ききった
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