『逃亡か鹿』/しめじ
かけたままだった。豆乳をさんざんっぱら煮込んで砂糖と甜菜を放り込んで豆乳ジャムをこしらえていたのだがこれがなんとも成功しない。なんども同じ工程を繰り返すのだが、どうしても豆腐が出来上がってしまう。やはりにがりを入れたのがまずかったのだろう。しかしお前豆乳といえばやっぱりにがり、ダイエットにもいいと一時期はやったではないか、という私のBMIは18以下。医者に米を食えといわれたのだが持ち前の反骨精神から春雨ばかりを食っていたのが功を奏していまではモデル級の拒食症である。そんな風に言っている間にも鍋はどんどん焦げ始める。鉄臭いなあ、疾く火をだに消さねばと一念発起するも炬燵というのはその一種魔力があるよね
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