破格/狸亭
子のあいだから必死に手を伸ばすサルに似ている。と思うと、なんとも索然たる気分にとらわれるが、人が二十五歳までに撒(ま)いた種子を育て、収穫するには(駄目にして投げだしてしまうかもしれないが)、人生の残り時間のすべてを費やしてもまだ足りないのである。」と。
二つの部屋を本を抱えて行ったり来り立ったり座ったり。
「詩有別才非関書也」詩に別才あり。
『倚りかからず』威張ら気乗り狐詩集は「転生塵悟」や吊身蠢援やア、魔の遊鬼恥に褒められてベストセラーになって三十万人にも読まれて言葉の精を吸取られているらしい。買って読んだ時には蛻の殻。
『空中の茱萸』あら、革楊枝の最新詩集は書名が詩
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