短歌的抒情は現代詩の敵か?/umineko
『詩論』から、「民衆の言葉の中に絶えず宿っている短歌的リリシズムへの郷愁を、詩人は断ち切らなくてはならない」というフレーズを引き、日常からの離脱を説きます。そのためには「何十年となく平俗なお上の正義を説き続けている人気番組「水戸黄門」ぐらいからは離れねばなりません」とか。うひゃー。
えーっと。
抒情や情感を排除することが詩人の目標じゃない気がするんですけどね。水戸黄門が情緒的でけしからんのなら、それを穴があくほどみて、その背後に横たうものを見極めるべきです。
全体主義は甘い言葉でやってくる。これはおそらく真実でしょう。だからといって、甘い言葉の代表たる「情感をそそる言葉」を遠ざけ
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