散文詩「パラダイス イン ミヤコ」/アハウ
を見つけたりビルの谷間から見える雲をひと時眺め
たりと、フットワークいわば小回りがきく感性を持ち合わせていた。
そんな彼女には敬意をずっとはらってきたが、こちらへ来てから圧
倒的な自然に包まれいだかれていると、麻理は自らの感性を完全に
解き放ち自然の中に溶け込んで自然の動植物のようにその中に生息
している人になり始めた。
自然を心から慈しみ、いやそれに対して畏怖の念さえ抱き、この
楽園を愛するというよりいかにこの島の自然に愛されるか、そんな
感覚でここの暮らしをしているように思えた。「この島で一いいこと
をすると自然は千倍にして返してくれる。」何かの時に言ったその言
葉は印象
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