散文詩「パラダイス イン ミヤコ」/アハウ
印象深く、僕の心の中に今でもしっかりと焼きつき、その後の
二人のこの島での生活の指針となったように思う。
そう言う彼女と共に海へ行き、街に行き、草原に行く。玄米のお
むすびとお茶を持ってピクニックに行く。立ち木があり日陰のでき
る平安名埼灯台近くの秘密の場所へ本を持っていく。草いきれの、
人一人通れる踏みしめられた道を通ってその木陰に行き着く。お互
いしゃべることなく目を合わせる。まるでそれは神秘的な儀式のよ
うだが、それはもう二人がいつも座っている場所が近いからだ。い
たずらっぽく僕は彼女に微笑む。ほっとした空気が二人の間に流れ
る。耳を澄ますとその大きな立ち木に海風があたる
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