散文詩「パラダイス イン ミヤコ」/アハウ
は開いている。デイゴの木に風が当たりカサカサ
と葉と葉のすれる音。
「ああ、いい風がいつも吹くわ。そうだ花瓶の水とりかえなくちゃ。」
ガラス花瓶は、外の風景を取り込みレンズになりそこに小さな世界
が出現している。鳥の声、食器の音、二人の世界がそこにあった。
朝の一時
さわやかな風が
白いレースのカーテンを揺らし
二人の静かな
食事
ガラス花瓶に
光
宿り
力
宿り
そして朝日は揺れる
朝の力
我らを生かし
時を止めるごとく
美しい
ああ 風が
木々を揺らし
揺らし
頬をなで
過ぎてゆく
質素
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