散文詩「パラダイス イン ミヤコ」/アハウ
 

 思えばこの遊歩道、初めてこの島に旅行できた時、歩いた道だった
。あれから3年、この南の島は私の人生を変えてくれた場所になった。
11月のこの場所との初めての出会いの時と同じ天気図。多分空には
高雲がたなびき海からの遠い潮騒が聞こえるに違いない。あの日と今
日、島に暮らす人となった今が重ね合わされ、だぶってくるような風
の予感の一日だ。さあ車のキーを家に取りに行き、あの遊歩道へ出か
けよう。
 クワを持った手を洗い長靴をビーチサンダルに履き替える。これは
夏休みを過ごしている子供とあまり変わりない。朝、宿題を少しかた
づけ、今日の絵日記を書くために遊びに行く子供の気持ちと変わ
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