雨上がりの路地裏で/山崎 風雅
 
 細い糸のような雨が上がった
 日が変ると同時に止んだ
 
 慌しく過ぎて行く日々に
 ひび割れていく心
 解こうとすればするほど
 拗れていく魂

 腐るほど希望の詩を書いたけど
 そんなものはイミテーション
 本当の心の深いところでは
 いつも涙が止まらない

 所詮生きても7、80年
 何を残そうか
 何を残そうか

 くだらない日々に
 諦めモードの携帯電話
 頼むから寝かしてくれ
 喧騒の街は苦手だ

 やみくもにここまで走ってきたけど
 手に入れたのはわずかな常識

 モラルの網にかかった俺は
 心の旅にも出かけられない
 
 
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