雨上がりの路地裏で/山崎 風雅
 
 
 細い糸のような雨は上がった


 失うことの怖れを感じて
 冒険ができやしない

 この生活を守るため
 未知の扉を開けられない

 暗い路地裏で
 天を見上げる
 まだ雲に覆われた空
 微かでも繋がっている心ならば
 希望の詩が聞こえてくるはず

 どこまでも続くのが
 詩人の言葉ならば
 せめてもの救いになる

 
 細い糸のような雨が上がった

 少し心が軽くなった
 
 
 
 




 
 
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