かわらなきもの/侍フィクション
 

 一目でも顔がみれたらと
 流れ星みたいにシューって飛んで会いに来てくれた
 わたしはその一瞬のきらめきが
 ほんとにほんとに嬉しくて幸せで笑顔だった。


 だけれど、けれど
 わたしは負けた
 ありきたりな距離の壁に
 冷たいベットに
 あなたの温もりを想い出す切なさに。


 私はほんとに不届きものだ。


 私は泣いた心底泣いた
 ふがいない自分に
 あなたの愛に応えられなかった自分に。

 でもきっと
 あなたはもっと
 もっともっともっと。

 涙を流したに違いないんだ。

 凍てつかせてしまった冷たい心で
 熱い涙をいっぱい
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