永遠のむこうにある空 デッサン/前田ふむふむ
たしは、顔のない太陽が、
過去・現在・未来の三つの空に輝いている、
白い壁の病院に、
慟哭のときを横たえる。
湧き上がる沈黙は、一房、二房、三房と手を捥ぎながら、
清瀬の森のかなしみを、運びつづける。
永遠のむこうにある空に落日の声を上げて。
3
木霊するものたちは、
「神の気まぐれな失敗作として、埋もれた、
塑像、絵画のはかない血液。」
心臓だけは気高く、波打っている。
4
雑木林の奥から、溢れる血液が降りてきて、
切り裂かれた傷口が、閉じられない、
冬のきつい寝床を塗
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