沈黙の為に++/六崎杏介
 
しかし、今は色々な人がいるな、という感想しか感じない。その一言で通過出来るし、本当にどうでもよくなってしまった。
それよりも日々の安泰や仕事、自然の美しさや酒の美味しさ、クスリの苦み、食事、言葉遊びの勉強、それら個人的な天国の方に興味が移った。
現在、周囲には燃える様な紅葉が広がり、たまに通る車のライトに浮かび上がる並木の端正さが酔った目を楽しませている。

それで終わるのもいいかと感じたが、もう少し書こう。また黙して語らず、だから少しでも報いなければ。

以下、恐ろしく恥な文章を晒す。これを以って沈黙したい。

人それぞれに罪の意識、幼年?いや、それ以前に負った、原罪的な意識とそ
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