あなたを愛す。/侍フィクション
所謂、出会い系の掲示板で知り合った
あなたは、豆とプリンが好きですとだけ書いてあり
僕は何気なしにメールを書いた
所謂、メル友の全盛時代だったのだろう
メグライアンとトムハンクスの映画が火をつけたらしい
あの頃の僕は、今後の意識機構に暗い影を落とし続けるかのような失恋をし
寂しさと虚無感を紛らす為に
特に興味もなかったメールなんていうものをしてみたんだろう
そのように今は冷静に内省できる
ハンドルネームお豆さんは自然だった
同時に何人かのメル友ともメール交換をしていたが
お豆さんへの返事だけは一番に書いていた
何がどうしてなのか
理由な
[次のページ]
戻る 編 削 Point(15)