書く動力13/Dr.Jaco
なる、だったり、取り込んだはずの思想に取り込まれるなん
てケースが多分そうだ。そうした近視眼的な中で私は書いてきたし、今もたいし
て変わってはいない。
で、結局は自分が潜入していくはずのものに捕まるということが、自分のイメー
ジを書き表すということなのであれば、境界を表現することからは遠いのである。
境界へ向かって書くつもりが、つまりは境界に押し上げられるように書く、つま
りとうの昔に境界を透過した地点でしか書いていないのである。ひとりよがりな
物言いであるが、こういう表現しかできない。いったん言葉を吐いてしまった以
上、戻れないのに戻った振りをしたいのだ。その時、肉体は不可逆
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