「ありがとう。 ごめんね。」/わら
つも、いいヤツだからな」と つぶやく
あなたと、ぼくとのまわりに起きたことは、
とてもじゃないが、カンタンに話しつくせることじゃなく。
こっけいなほどに、悲喜劇をえがいたものだった
ただ、ぼくは、あなたに、なにもできなかった
あわれなほどに、この想いは、空まわりをつづけていた
あなたを想い、時計じかけのオモチャのようにコトバを放ち、
涙を流さぬことを誓い、
笑顔をうかべていた
どこまでも、あわれな男だ。
ぼくの こころは、砂のようになっていた
しばらくして、店を出る。
それでも、笑顔は絶えなかった
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