「ありがとう。 ごめんね。」/わら
 
好きなの」

「たしかに、最近、あいつは、情けないけどなあ」
ぼくは、そう漏らしながら、
ヤツの姿を思いうかべる
ぼくの親友だった男のことを。




別れた後も、彼女は、彼のことが忘れられなかった。

もう、ふっきれた。
もう、忘れた、と何度、思ってみても、
顔を合わすと だめなんだって。

そう、ぼくと、おなじように


でもね、ぼくは せめて、あなたの支えになりたいと、
右往左往していたんだ

できる限りの笑顔をうかべ、
できる限りの言葉を放ち、
まるでピエロのようだとしても、
あなたの気持ちをやわらげたかった
痛いほど、あなたの苦悩を感じ
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