最初で最後の握手。。。/Lily of the valley
る上靴の袋を、4クラス分も先生1人で持てるわけが無い。
ボクがまた、『手伝いましょうか?』と尋ねると、やはりまた、『手が汚れるから止めなさい。』と言われてしまった。
でも、ここで引き下がってしまいたくは無かったので、こう言うときは、子どものように駄々をこねようと考えた。
わがままな人が好きな先生は、こうやると必ず言うことを聞いてくれる。
案の定目論見は成功。
2人で並んで大きな袋をぶら下げながら、中央棟の玄関をくぐると、横に置いてあった台車に積み込み、エレベーターのボタンを押した。
別れのときが、どんどん迫ってくる。
チンと言う音と共に、エレベーターの扉が開くと、先生は台車を押し込み
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