最初で最後の握手。。。/Lily of the valley
ックすると、ボクは恐る恐る扉を半分ほど開けた。
扉を開けたは良いものの、どうも入り辛くて立ち止まっていると、『入って良いよ。』といっちゃんが声をかけてくれた。
ボクはその言葉に惹かれるかのように研究室に足を踏み入れると、後ろ手で扉を閉めた。
いっちゃんは慣れないワープロを使い、クラブのプリントを作成していた。
ボクはその横で、いつものように、いつもの椅子に座り、いつものようにいっちゃんと話をした。
いつもどおりの取り止めも無い会話。
いつもどおりのいっちゃんの笑顔。
ほんの数ヶ月前と、何も変わってはいなかった。
それが、無性に嬉しくて、悲しかった。
ボクは、自分の仕出かした大きな
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