ピラニア/「Y」
 
だ」
 明は努めて明るく振舞おうとしている様子だった。病気は治ったのかと僕が問うと、明は一言、
「うん」
 とだけ言った。
 明の年齢についての話題が、それ以降、僕と明との間に上ることは無かった。だが、同級生のはずの明が、実際は僕よりも二歳年嵩だったという事実は、僕の胸の奥に深く刻み込まれた。そしてそのことは、僕と明との関係を、決定的に変化させることになったと思う。まず僕は、何事につけ、明に対する競争意識を持つことができなくなった。又、明から自分の知らない事柄を教えてもらう事に対して、負い目のような感情を持つことがなくなった。僕と明との関係は、同級生との関係とは異なるものになったし、かとい
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