ピラニア/「Y」
の閉鎖を延期し、ニュースは全国的に続いている記録的な残暑の模様を、毎晩報じた。
受験勉強は順調に進んでいた。夏期講習が終わった直後のテストで結果が良好だったので、僕は、明の在籍しているクラスに編入されることになった。
明の実際の年齢が僕より二歳上であることを知ったのは、その頃のことだ。明はおどけたような笑顔を作り、これが原因だと言いながら、シャツの裾を首元までたくし上げ、僕の目前で上半身をはだけた。胸の中央に抉ったような傷跡があった。浅い隆起がヒトデの触手のように八方に広がっていた。僕は明に言葉をかけることも出来ず、息を呑んでそれを見詰めた。
「気持ちが悪いだろう。心臓疾患の手術の跡だ」
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