*追想*/知風
白髪あたまが
並んでおるじゃろう
あれは すすきとゆうての
やくざな地上げ屋一族の
成り上がりもんたちじゃよ
お日さんを独り占めにして
私腹を肥やす悪党さ
おまけに溜め込むだけ溜め込んだら
さっさと地下に潜ってしまって
冬神様の取り立てを逃れるんだから
小さい奴らも大した知能犯だよ
前の新月の頃かな
すすきの陰に隠れるように
絹をまとった女たちが現れた
美しい桃色の花を頭につけた
なんばんぎせるたちさ
あいつらの何が気に触るって
自分で土地も耕さないで
化粧ばっかりしてることさ
それでやくざに取り入って
ちゃっかり根っこを吸い
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