ナイフを買ったよ、白い柄のナイフを買ったんだ。/虹村 凌
ジメる方も調子に乗るのだ。
誰も助けてくれない。
少し気の利く友人がいたら、逃げるようにとか、アドバイスを呉れるかも知れない。
でもそれも慎重にやらなければ、今度はその友人までもが巻き添えを喰う。
場所は選んだ方がいい。
俺は気に喰わない奴を殺す事を、何度も夢見た。
初めてのキスは、思ったよりあっけなかった。
初めてのセックスは、思ったよりあっけなかった。
世界は変わらなかった。配色もそのままだった。
俺達がキスしたり、セックスしてる間に、
地球の裏側では戦争をしていて、血が流れたり涙が流れたりしていた。
俺の顔はアトピーの為に、酷く醜く崩れ落ちていった。
崩れ落ち
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