四ツ花/Rin.
 
せ、夏が私を
少しだけ愛した
ほんの、すこしだけ
夏が私を残して、秋に私は
少しだけ濡れた

世界は眩しい
晴れた日ほど白く光って
大切なものを見失う
夏は
どこにいるのでしょう


  三

花びらが足りないから
虫も、鳥も、首をかしげるの
私も花なんだけどな
まっすぐ立つとか
横向きの雨をかわすとか
できないこともある
それでも
私も花なんだけどな
気づかないあなたは、万能ですか


  四

冬は寒いから
あのひとをノックした
あのひとは冬だから
余計にあたたかい
秋の雫の虹色が
美しいといった
あのひとの部屋で
一足先に
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