森の中で/ネコ助
歌った。
疲れたときには、草の上で寝ころんで、
そのまま朝まで、抱き合って眠った。
朝になると、これからも一緒に歩こうと約束した。
でも途中大きな喧嘩もした。
そんな時、目の前に現れた分かれ道。
気付いたら二人とも別の道を歩いていた。
しばらくは、知らない花やきれいな鳥たちもいて
一人だけの楽しい時もあった。
でも砂利道から岩山、暗い穴の道に入り込むと
とうとう歩けなくなった。
そして冷たい岩の上で幾度か夜を過ごしながら、
本当に一人っきりの寂しさを感じながら、思い出していた。
別々になる思い出と、消される思い出
笑い声の笑顔と、喧嘩の泣き顔
自分の都合の
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