ポヨンの大往生/atsuchan69
前か? すぐさま病院へ
そして手術。
よほどの痛みだったに違いなく、
「フギャー! の声が胸を張り裂く
以来、ポヨンは人間不信となってしまったが
それを無理やり繋いでいるような、僕たちの生活は続き
マタタビを嗅がせたり 加太の海へ連れて行ったり
好物の鳥のささ身を与えたりし 缶詰も高級品ばかりを買った
妻は僕との結婚のために銀行を辞め、
僕は彼女との結婚のために働きはじめた
やがて新築のマンションに移り、
日中、部屋には飼い主の姿はなかったが
窓はいつも開いていて 高層のベランダに出ると
都会のビル風がすこぶる気持ちよく感じられた
ポヨンはベランダの手す
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