独学の数学者また/佐々宝砂
。ひとりで詩を書くのはしんどいが、ある意味らくちんでもある。何を書いてもいいからだ。しかしひとたび小さな壁を越えて、他人に自作の詩を見せるという(愚かかもしれない)行為に手を染めたらどうだろう。インターネットにでもなんでも詩を発表してひとさまに見せている以上、もはや詩人はひとりではない。詩の話が自由にできる。勉強もできる。ゲップが出るくらい詩が読めるし、書きたいだけ書ける。
しかし、ひとりでない以上、もう言い訳はできないのだ。まして、インターネットでこれだけいろいろなことが検索でき、勉強できるいま、ただの一人も友人や師がいないとしても、言い訳はできない。どだい、独学独学と言ったところで、私た
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