独学の数学者また/佐々宝砂
 
箒を使ってもだめ。要するにそこが世界の果てなのだとみんな理解している。そんな世界に生まれ育ったわれらが主人公、魔法学校ではだめだめの劣等生くんなのだが、誰も理解してくれない科学というものには才能を発揮し、全くの独学で飛行する機械を作ってしまう。その飛行機で例の壁を越えようとすると、あーら不思議、空飛ぶ箒では越えられなかった壁を越えることができたのだった。

つまりその壁は、魔法の力ではなく科学の力でないと越えられない壁だったのでした、というお話。壁の向こうには私たちの世界と同じような世界があって、科学に頼って暮らしてる。彼等には魔法が使えない。しかし中には主人公と同じような機械的方法で壁を越え
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