荒川洋治を読んでみる(三) 『ながあめの自治区を』/角田寿星
おおきな社会問題になってるそうですが。ちなみに毎年照り続きのイメージが強い四国の高松は、年間1124mmだそうで、寧夏自治区の雨の少なさは尋常じゃないよね。
と、ここまで書くと、もうお分かりでしょう。この地区に二月も長雨が続くはずがない。一日10mm程度のしとしと雨を降らしても、半月で種切れ、ジ・エンドです。なんでこの自治区を選んだのか理解に苦しみます。ったく、もちっと考えて書けよ、荒川。
しかもこの詩、徹頭徹尾、水びたしなんです。多分、坐ってる大腿のあたりまで、ゲルのような澄明な雨水が侵蝕しています。埋められた青銅の器、こぼれんばかりにたたえる水…言っちゃいます、これ、ほとんどギャグの世
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