彼女の r の発音/魔法使いじゃないので/AB(なかほど)
がとてもなめらかになる
たまにオリーヴ油だけのときもある
「4r」
うた のお時間は
彼女の声だけに
耳を澄ませていた
ららら
が少しくぐもった翌日
どっかに いっちゃった
のに
今もときどき
聞こえるよ
「5r」
これだあ
と、黄色い声をあげながら
彼女が素っ裸でバスルームから飛び出してきた
なにやら左の手のひらのものを差し出している
むしゃぶりつきたくなるのを抑えて
なに?
と 素っ気なく聞いてみると
手のひらにそっとたらしたシャンプーが
彼女の言うところのrの発音
の感覚なんだと言う
それから
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