彼女の r の発音/魔法使いじゃないので/AB(なかほど)
 
から
シャンプーを手のひらにとるときには
rrrr
と唱え
そして
毎週のように違うシャンプーを買ってきては
気分を変えて
rrrr
と唱えている
らしい

彼女のrの発音がとくに変わったということはなく
そんなことはもちろん
彼女になんか言えないのだけれど
ただ
どんなシャンプーを使っても
彼女の洗い髪の匂いだけで
僕は まいってしまう
ようになってしまった
とくに変わったということもないのに
彼女自身は
そのrの発音で
僕が まいってしまうものと信じている
今日もバスルームから
変わらない君の r



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不器用に生きている君の笑顔が好きでたま
らない僕は、なおのこと不器用なんだろう。
そんな日々で幸せを数えてゆきたい。


   
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