荒川洋治を読んでみる(二) 『消日』/角田寿星
のない生き物のように擬人化されていて、そして彼女らは時間に埋没しながらも、国のどこかを殺して、そっと新たな局面へと誘っていく、そんな存在なんだろうね。
2)テロリストたちは、いったい何で死んじゃったの?
テロリスト姉妹は、「国の手をひ」いた後、いとも簡単に「双つの屍体」になっちまうんです。その直前に「目をとじ…たがいの石のような頬を黒い紐ですばやく囲う」という記述があって、どうもここと国の手をひくあたりが彼女らの死に関ってるように思えるんですが、なんだかピンと来ないわな。
もしかしたら、『消日』、すなわち日没の時点で、ある意味彼女らはすでに死んでいた、正確には死ぬ決意をしていたんでしょう
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