荒川洋治を読んでみる(二) 『消日』/角田寿星
 
ょうな。んで、前述の行為は、テロリストとして死ぬために必要な、一連の儀式だったのかもしれません。

ちなみに彼女らの死後、人々はなんにも変りません。国は変ったのかどうか、よく分りません。なんにもない国の、なんでもない話。役人の日誌に、新たに名前がふたつ載っただけ、うすみどりのテロリスト姉妹、彼女らの『消日』。

用語解説。

「房事」…気取って書いてるけど、セックスのことっす。

「みずばら」…これは、意味をそのまま採ってよいものか。水で空腹をしのいでいる、そんな腹のことなんだけど、それならばテロリスト姉妹たちは、いったい何に飢えていたのだろう。

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