樹/葉leaf
街へ出かける
だが私の幻滅が始まるときは
樹の幻滅はすでに終わっている
泣く日
空間の日
蔓が金属としての出自を忘れる日
樹は水を葬り
硬直した水の死体を
すべての果実へと切り分けた
色とりどりの糖体としての
水のなきがら
果実は私にさらされる
私の容積を前にして
果実は果実に変化する
果実に私の広がりが落ちたのだ
植物と樹との光線関係
樹が植物に植物の樹を与えるとき
植物は樹から樹の植物を奪う
裸体の樹の裸体が
植物の裸体の植物を
取り囲んで聖別する
・私は樹を拷問する
ことができるだろうか
・私は樹を検閲する
かもしれない
[次のページ]
戻る 編 削 Point(11)