樹/葉leaf
ない
・私は樹に勧告する
ために在るのではない
・私は樹に諮問する
つもりである
・私は樹に参加する
ことが禁止されている
……………
闇から織られた羊膜が
空間の房をひとつずつ包むとき
樹は内側へ向かってひとしく燃え上がる
闇はどれほど赤かっただろう
蒸発する闇の繊維は
樹をどこまで縫い取ったのか
問いかける私の問いかける時点の問いかけを
問いかける私は問いかけ返しまた返した
私は迷う
雨をどのように降らせようかと
だが私は一度も決断したことがない
樹も迷う
私をどのように生きさせようかと
だが樹もまた一度も決断したことがない
いつの日かきっと
樹は空を砕くだろう
その日のために
私は空を用意する
その日のために
樹は私を用意する
戻る 編 削 Point(11)