生成する葡萄状の意味?中原紀生「葡萄状連詩」を読む/ななひと
 
葉を読んだ後では、この引用は最高の強度を発揮するものとして読まないわけにはいかない。「眠れる」―「欲望」―眠りは存在の不在と生成の様態でありその原動力としての「欲望」装置。「盲目」の「意志」―統御者の不在の意味、意図。「空虚な、不定型」の「音楽」、統治者のいない形をもたない「音楽」―関係としての意味のありよう、が「抹殺」攪乱される。「幾何学」の「復習」、普通に読むだけではそれほど強度のある言葉とは思えないこの語句は、この詩の中では、「幾何学」―関係性そのもの、の、「復習」―写像であり再現前化、存在を存在させるための手続き、として少なくとも読まざるをえなくなる。こうした逐語的な意味の追いかけによって
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