生成する葡萄状の意味?中原紀生「葡萄状連詩」を読む/ななひと
 
性、意味の系列性は細切れにされる。そこにあるのは/ないのは「不在の 支配者」によって統治された「不毛の 関係づけられた 時間」―意味を持たざる、関係の連鎖として存在するだけの時間、だ。「分割された彼女の/統治者の不在」。「その重さのうちに 虚ろに響く ターム/時の生成する あり得ぬ場としての 器」―「言語」は不在の中に生成し、「あり得ぬ」場の「器」として、「統治者」のいない関連性として、姿を現す。

 眠れる欲望──のすみか、盲目の、カマキリ状の、意思
 包みかくされた、空虚な、不定型の、音楽の抹殺の為の
 カラクリ、そして、幾何学の、復習

これら驚くべき意味の生成を可能にする言葉を
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