弾痕/ゼッケン
 

嘘をつくな! おまえはおれになりたがっている
おれのを咥えたみたいにこいつを咥えろ!
彼はテーブルを拳で叩き、思わぬ大きな音がして、女の子は漏らした
足元の床に薬品くさい水たまりが拡がる
彼は拳銃に手を伸ばし、僕が横取りする
はい、ここまで。みなさん、おつかれさまでした
女の子をこわがらせて、こんなの、きみの趣味じゃないだろ?
きみの趣味じゃないだろ? 
彼は奇妙なしなをつくって身をくねらせ、ぼくの言葉を鸚鵡返しに繰り返した
彼の下品な揶揄にぼくは戸惑いつつも、予感があり、自分の顔から血の気が引くのを感じた
ホモのオナニー野郎 彼は言った
おまえ、おれを見ながら一晩中そこで
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