弾痕/ゼッケン
 
こで自分のをしごいていたな
変態だな、おまえ
ぼくは彼に銃口を向けた 彼はシャツの胸をはだけた
おれになれるのはおれだけだ
おまえはおれを指をくわえて見ていることしかできない
いや、おれのを咥える夢を毎晩みていたんだろ?
ぼくは天井に向けて引き金を引いた 銃声が鳴り響いて
金縛りのとけた男たちと女たちが部屋から逃げ出した
ぼくと彼しかいなくなった部屋で ほら、とぼくは言った
ほら、ほんとうならきみはいまごろ死んでいる きみの運なんて
すごいだろ? ほんとうならいまごろ死んでいるはずのおれに弾は当たったか?
どうしてだろうな 昔からそうだった おれは選ばれているのか
彼はぼく
[次のページ]
戻る   Point(4)