ウロボロス/下門鮎子
 
うと狙う
あなたたちはぐるぐるまわる
らせんの動きをして
前へ前へと進みながら
らせんはわたしたちに
少しだけ未来を見せる

(既視感とは、かつて見た未来への到達? 時空は光?)

ウロボロス、

あなたのところには
光しかなくて
とりわけ
言葉がなかった

ウロボロス、

だれもがあなたの姿を
見たいと望む
そのはかない望みを叶えようと
わたしたちは生きるんだろうか
詩を書いたりして

ウロボロス、

今のわたしには
どこからと、どこへと
問わずにはいられない
ほどけたあなたたちの背中に乗っていて
あなたたちは確かに
どこかから来て
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