ヒューム「ベルグソンの芸術論」(1)/藤原 実
、作中のアリスを悩ませてしまったようである。
(桑原茂夫『チェシャ猫はどこへ行ったか―ルイス・キャロルの写真術』:河出書房新社)
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身体の遠近法だけでなく、『アリス』の世界においては、名称と意味というコトバの主客は転倒し、主語述語という論理と文法の遠近法も完膚無きまでに破壊されています。
レンズを通すことによって世界はさかさまの像として印画紙に写しとられるわけですが、詩人の眼はそんな「冒険的な眼」なのだ、と北園克衛(1902-1978)はいいます。
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彼女たちは美しいことが何であるかをよく知ってゐて
不意に写真機のなかへ真逆に墜ちて来ま
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