ヒューム「ベルグソンの芸術論」(1)/藤原 実
 



ここでミルトンが用いた技法の効果によって読者は「全体的な場面を一つのイメジとして、俯瞰的に捉えることができる」というわけです。イメージの遠近法としての「想像力(イマジネーション)」、とでも言えばいいのでしょうか。


コウルリッジはまた、あらゆる哲学体系は一つの法則性をもち、あらゆる対象が一致する一つの遠近法的な中心があり、その一点以外のすべての観点からみると、混乱しゆがんでいるようにみえるに違いないとして、各流派の見解を評している。この遠近法的な中心点とは、彼の美学論の中心でもある想像力という「形成し創造する能力」に集約される
        (同)



[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(8)