ヒューム「ベルグソンの芸術論」(1)/藤原 実
念頭においたものです。
コウルリッジは「想像力説」によって、「相反する要素の結合」ということを詩作のキーポイントとして明確に主張したという点では現代にも通じる先駆的な仕事をしました。しかし、その彼もロマン派的な概念によって詩を定義づけようとする部分ではヒュームをはじめとする二十世紀の詩人たちから反発をうけることになります。
コウルリッジは詩人のイメージ形成能力を「想像力(イマジネーション)」と「空想力(ファンシー)」のふたつに区別して、「想像力」を相反する対象を再構成し、溶け合わせ、理想化、統一化する精神的で有機体的な働きとして重要視したのに対して、「空想力」を、ただ出来合いの型をでた
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