青春の朝/山崎 風雅
 
で小さな食堂に
 若い男女が二人きり
 
 その子は失恋したばかりだった
 なんて運がいいんだ!

 悩みを聞いてあげた
 客足は途絶え明け方になった

 店の掃除をしシャッターを降ろした
 しんと静まった二人だけの世界
 その子は手を握ってほしいと言った
 僕はその手を握りかえした

 当然のいきさつのようにくちづけした
 頭にピンクのバラが咲き乱れた
 
 店にはお座敷もあった
 彼女はそこに誘った
 僕は誘われるまま

 くちづけの次の行為に移った
 若き男女が織り成す行為
 甘い時間がゆっくり過ぎる
 もう歯止めはきかない
 二人は獣になり
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