雑考/虹村 凌
れ上がって弾けた。
今でもこの事は鮮明に覚えている。
俺がいる状況とはあまりにかけ離れた現実。
突然に突きつけられた事柄。
細かく堕ちてゆく影が人であると判断するのに、
其れ程の時間はかからなかった。
まるで映画の1シーンのように、
其れは美しく飛んできて、真っ直ぐ突き刺さったのだった。
***
例え知らない人間であっても、
誰かが死ぬと言うのは悲しみを禁じえない。
***
おじゃる丸の作者、犬丸氏が自殺した。
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生きると言う事は、他の生命体を殺すと言う事だ。
誰かが死ぬと言う事は、他の誰かが生きると言う事だ。
誰かが死ねば、食い扶持が
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