秋風吹く街角を/山崎 風雅
 

 季節の変わりめに僕の脳髄の残り火
 景色の変った街角で
 あの娘の姿がふわふわ浮かび上がる
 若いことは罪なこと

 まだ世間のけがれた雨に打たれてなかった頃
 太陽の日差しが僕に向けて放たれてたこと
 街行く人も涼しげで歩く足取りも軽かった
 そんな日常の中での恋

 春の眩しい光に目をほそめ
 夏の情熱にこの身をささげ
 秋の贅沢な時間に埋没し
 冬の清らかな空気を吸い込んで

 一緒に季節を往来したよね
 気が変になって街角で争ったね
 君の好きなキティは君の瞳を輝かせたね
 かわいいなんて言いながらのデートはもう出来ないんだよね

 去って行っ
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