秋風吹く街角を/山崎 風雅
行った女達
残った残像だけが僕の宝物
いつしか風化して新しい時代にしぼんでいっても
忘れたくない美しい思い出
いったいなんだったんだろう
ここまで来たのにまだ分からない
同じ世界に住みながら分かち合えない無情を感じ
見えない壁が僕を遮り呼吸をおかしくする
嗚呼いつか一つになる時までの心もとなさ
窮屈になった街の一角に座って一服するとき
行き交う人はさまざまで僕の前を通り過ぎる
季節を知らせる街路樹の下僕は独り行き先を探してる
出会わずに過ごせば少しは乱れずかな
答えを求めて独り行く秋風吹く街角を
戻る 編 削 Point(4)