「 きいろいし、み。 」/PULL.
なのでわたしも滞りなく、
いつもの家族の営みを続けた。
滞りのない、
いつもの家族の営みには、
父と父の白い肌だけがなかった。
五。
父の白い肌に触れられないのが、
ひどく寂しくて、
毎晩壁の前で泣いた。
壁はただ白く、
押し黙ったまま、
何も答えてはくれなかった。
六。
ああ、
どこまでもなめらかで、
父のように白いわたしの壁。
あそこに頬を寄せ、
父にしたように頬ずりをしたい。
七。
わたしはいつまで、
この欲望を抑えられるのだろうか。
八。
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