晩夏への手紙/モーヌ。
 

なぜなら、海は広大さの観念と同時に動きの観念をさしだしてくれるから。 ”
                        ( 赤裸の心 ボードレール )





広大さと、動き...たしかに、それは、そのタブローに、描かれて、あった。
ぼくの、ことしの、残暑見舞い、それは、いのちの脈動を、生きて、動くものが、いった。
みずいろと、白たち... 優しく抱かれて、ぼくは、病のブルースを、噛んでいた。ビターなのに、甘く、泣き声がする。それは、かなしみではなしに、無垢な、喜びのミルクの匂いがする、まだ、おしゃべりのできない声だ、姿だ。撒かれた音符...世界を希求している、祝祭
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